メディア企業が欲しい人材はこれだ!"ITmedia×津田大介「メディア志望の就活生が、今知っておくべきこと」クロストークイベント"まとめレポート その3

2012年12月12日水曜日 6:01



その1、その2続きまして今回はその3でございます。まだその1、その2を未読の方はそちらからご覧ください。

電子書籍に絡めた有料コンテンツの話題など、"ITmedia×津田大介「メディア志望の就活生が、今知っておくべきこと」クロストークイベント"まとめレポート その1 | Digital Grapher

メディア業界、ソーシャル、これからの広告の話、"ITmedia×津田大介「メディア志望の就活生が、今知っておくべきこと」クロストークイベント"まとめレポート その2 | Digital Grapher



(注・各発言は意訳です。原文ままではありません)

第3部:今、メディア企業に求められる人材。


司会・浦野さん
「第3部では様々な変化があるメディア業界、その企業の中で働く人達に求められる人材、資質は一体どんなものなんだろうか、考え方、行動、センス、そんな話をしていけたらなと思います」

津田さん
「これは就活というより働き始めてからの話で、別にメディア企業だけに限らないのだけど、Wワーク、トリプルワークを会社に認めさせる
"ノマド"じゃないが、最近すごく増えた。会社に勤めながら、"プロカメラマンやってます"だとか、"通販サイトやってます"とか、"レストランやってます"とか。それを堂々と。」

「それは"えっ"って驚くようなお堅い会社でもあったりして・・・恐らく競合業種じゃなきゃいいんだと思う」
「そもそも、就業規則で法律的に副業を縛るものは無い
「規制されているのは、業務上知り得た情報を同じ業種で他のことをやったりすることのみ」
「会社員をやりながらブログをやっていて、人気が出て書籍化なんてことになったら文句を言われる筋合いはないわけで」
「それの延長で、土日とか休日に色々やるのは良いことだと思うし、特に3.11以降、働きながらボランティアなど他のことをやるというワークスタイルが認められつつある
「会社としても、Wワークやトリプルワークを成功させるような人材はとっておきたい

「また、それがリスクヘッジになる。いざ"ITmediaに入社しましたー!"といって5年後に会社が無くなるかもしれない。メディア業界は不安定だしどうなるかわからない。ナタリーや僕だってそう。」
「mixiの現状を見ればわかりやすいと思う。人材の流動化もある。」
「Wワーク、トリプルワークをして色んな人と知り合っていれば、まったく違う業種の副業がメインの仕事に絡んでくるなんてことがあるかも。」
「今まではフリーランスの特権みたいなものだったけど、そんなことができる社員が生き残っていくんじゃないか」

司会・浦野さん
「ソーシャルもそういうのをやりやすくしてるなと感じますね」
「今までビジネスマンがなにかやろうとしても難しかった面があるが、今はソーシャルで繋がりやすくなっている」
「それがWワークに繋がったりする」

石森さん
「僕らの業界で、やめた人やめなかった人やめた人同士でも仲良いってのは他には無いんじゃないかな(笑)同窓会をやったりね。」
幅を持った社会人になるっていうのは生活にも直結するかもしれないけど、大学を出て40年面白いことをやるには、それは必須なのかなと」

「僕はどんな人と会社で働きたいかなって考えると、"付加価値をつけられる人"言い方を変えると"仕事を右から左に流さない人"
「メディア業界っていうのは、無から有を作り出す業界ではないということ」
「例えばニュースサイトというのは何も無かったら、ニュースを作り出すわけにはいかない」
「何かがあって、それを我々メディアを媒介してお客に届ける、それを複雑にしたのが我々の企業」
「その自分を介していく情報に何か付加価値をつけることができなかったら、会社としての価値もシュリンクしていくだけだなって思う。」
「自分が担った仕事には×0.1でも×0.2でもいいから、なにか付加価値を付けられる人と一緒に事がしたい。僕の中では結構拘っているところかな。」

司会・浦野さん
「メディア企業じゃなくてもそうかもしれないけれど、メディア企業ならなおさらって感じですかね」
「もう少しメディア企業で就活をしますよっていう人達にこういうスキル・感性、行動パターンなんじゃないのっていうのはありますか」

石森さん
「さっきから付加価値うんぬん偉そうなことを言ったけど、毎日会社に来て仕事をしてるがあんまり仕事をしているっていう感じはしない」

司会・浦野さん
「なるほど!(笑)」

石森さん
「すごく楽しい。これでお給料が貰えてなんてありがたいんだろうって。だから読者のみなさんいつもありがとうって思ってる。」
「メディア業界人はこうあるべきだというのは僕自身はあまり考えたことがない」
「仕事と生活が一体化しちゃってる」
「それがみなさんから見て羨ましいかはわからないれど」
津田さん
「公私混同という言葉があるが、すべてが仕事になるし遊びでもある。」
「大学生によく言うのは、"メディアを志望するなら、新しいメディアが出てきたときに試さずに批判だけするのはやめろ"と」
「メディア人ならまず使ってみてから判断するのが重要」
「新しいメディアの動きに敏感であれば、新しいトレンドを自分のメディアとどう組み合わせるのか」
「"Twitter"がきたらこう、"電子書籍"ならこうっていうのがメディア人として重要」

この会場にもガラケーを使っている人がいると思うが、まずそれを捨ててスマホに変えろっていうのが超具体的なアドバイスです(笑)
「2台持ちにしたら通話料金がむしろ安くなったり・・・。ガジェット好きになれとは言わないけれど、新しいメディアが出てきたら使ってみるという好奇心、新しいものが出てきたら使って楽しめる人じゃないとメディアには向いていないと思う」

司会・浦野さん
「例えばソーシャルなんて実際に自分で体験しないと何も言えないですよね」

津田さん
「ソーシャルグラフを自分の鉄の意志でコントロールできる人が重要(笑)」
「上司からFacebookの申請がきても断る!とか(笑)」

司会・浦野さん
「津田さんはテレビなどで、メディアといっても様々な人に触れる機会があると思いますが、それぞれに求められるものは共通しているのか違うのかとか、どうですか」

津田さん
「いわゆる伝統的な権威のある古いメディアの人ほどネットをバカにしますね」
「新聞とかオールドメディアの場に呼ばれてソーシャルについて講演を行った後に、"ITが苦手でツイッターとか全然できないんですよね"というのをわりと自慢げに報告してくる人がすごい多い(笑)あれは恥ずかしいからやめたほうがいいんじゃないかなって思う」

「新聞社のOBとかで、ひどい人だと大学などでの講演で"ネットにはろくな情報が無いんだから新聞読め"って言ってたりする(もちろん一部)。」
「オールドメディアには"組み合わせられる人"が少ないと感じる」

「しかし、記者として優秀な人は圧倒的に新聞社にいる。取材力があって出力ができて。」
「問題はそういう人がネットやソーシャルまでわかってる人が圧倒的に少ない。これは出版社もそう。」
「個人個人の情報をどうデザインするかという能力は長けているんだけど、どう伝えていくのかというところまで意識をしている人が少ない。」
「作るだけじゃなくて届けるところまで意識しないといけない時代になってきてる」

司会・浦野さん
「でも、(その新聞社などに)若い人材が入ってきたら変わってくるのかなと」

津田さん
「朝日新聞の新人研修を手伝ったときに"あんまりネットは・・・"という人が多かった。意図的にそういう人を取ってるのかもしれないなぁと思う(冗談ですが)」
「でも若い若くないって関係なくて、好きか好きじゃないかのほうが重要

石森さん
「驚くかもしれないけれどITmediaは仕事中にネットし放題というか、アクセス制限がない。ツイートしてるし。」
「他の会社はほとんどが色々アクセスできない。制限されてる。日中はネットから絶たれた場にいるなんてことも現実として発生している。
「僕らみたいなメディアにいると新しいものに接触できる機会は多くなるかなって思う」
「(ITmediaの)編集なんかはメールはめんどくさいので、"SkypeやFacebookでグループを作ってやろうぜ"ってなるけど、他はなかなかそうならない」

津田さん
「働いていく上で理解者を増やすというのは大事だな思う」
「具体例を出すと、洋書の翻訳本のマーケティング関連書籍を上司に渡して"こういうトレンドになっていて日本も今後こうなるんですよ"って言うと上の世代は洋物に弱いので、"いいぞやってみろ"ってなる(笑)。やはり本は権威みたいなものがある」


「良かったのはウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)という本。僕はこれ大好きなんですけど、すごくわかりやすく書かれているので50代60代の人でも理解できる」
「この本でなんとなくわからせておいて、賭けになるけど、"勝手にやっちゃう"のが良い。あとで事後報告。」

「企業ツイッターで人気が出たのってこういうのが多い」
「ソーシャルが好きな一担当者が自分の情熱で会社のアカウントをやって、人気が出たあとに上司に報告→"上司「なんじゃそりゃ。まぁいいよ」"とか言ってたらおおごとになってるみたいな」
「そういう突っ走れる能力って大事。こういう会場に私服で来られるやつのほうがいいのかも(笑)」

石森さん
「"どうすればいいですか""何をすればいいですか"って聞かれるのが一番困る。」
「好きにやってくれていいんだけどっていう」

津田さん
「てめえで考えろってことですよね(笑)」
「そう考えるとメディア企業って下のやることを全部許容する空気っていうのはありますよね」
「今は無料でできることがいっぱいあるし、それが成功したのならビジネスにちゃんと繋げていくことのできる人材が必要になってくる」

司会・浦野さん
「とりあえず始めちゃうのが成功パターンになりうるのかも」

津田さん
「僕も山ほど失敗してますからね」

→パネリストのお話、テーマについて学生の意見は?
"今、メディア企業に求められる人材。"という話題に関して

会場
「情報厳選力、正義感、基礎技術に対する理解、広い視点、好奇心など」

津田さん
パーソナルブランディングって書いてる人がいるんですけど、大学生でパーソナルブランディングをしても無駄だと思う。無駄は言い過ぎで、結果的にブランディングになることもあるかもしれないけれど、自分にとって何もない状態でブランディングといっても身が伴ってこないと思うので今は考えない方がいいんじゃないかなって思う。」
「それよりかは、何だったら夢中になれるかなとか。ゲームでもいいし、友達と朝まで飲むの楽しいなーとか、ようするに寝食忘れて自分が楽しいなと思えることを考えていって多分その延長線上に仕事ってものがある気がする。
「ある程度そういうをやっていって自分に身についたスキルや知識、人間関係だとかが出来て初めてブランディングとかを考えればいいんじゃないかなって思う」

石森さん
"編集力"って書いている人がいて、すごく直接的だなって思うんだけどあえて聞いてみたい」

会場
「あえて含みをつっこまれると怖いんですけど、編集っていうものは企画を立てて人を集めてモノを作るという定義が個人的にあって、雑誌の編集をしたりした経験があるので・・・」

石森さん
「それで自分の編集力を磨いていければってことですね」

司会・浦野さん
具体的な意見を出して、それを裏付けする自分の経験っていうのは素晴らしいと思います」

津田さん
「さっき作るだけじゃなくてどう届けていくかという話をしたが、編集力っていうのも10年前とかに比べて意味が変わってきていると思う。」
「編集はモノを作るところまでで、届けるのは販売や営業の仕事だった」
「今はソーシャルなんかを含めてお客がセグメント分けされているから、編集がきっちり戦略を立てて販売営業と共に会議をしてモノを出していくっていうのが出版社では当たり前になりつつある。」
「メディアミックス、マルチメディアなんて言われている今こそ、かつての編集と比べて、編集の役割が多岐にわたりつつ広範囲になっている。」
「それが一人でできちゃう人なんかは将来的に独立もできちゃうよねっていう」

司会・浦野さん
「メディアの人のスキルをどう評価していくのかっていうのは人事としても考えていくところだなと思う」

津田さん
「編集の人は原稿も書けて取材もできる能力が大事。ライターさんがバックれたときにさぁ書くぞみたいな(笑)」

石森さん
「例えば写真を撮るなんて時も、撮影の段取りがわからないとバカにされちゃうので、多様性というか編集って求められる分野が広いし深いっていう。」

津田さん
「それを鍛える意味でもWワークトリプルワークが重要」

→質問など

津田さん
「石森さんが、働いてて楽しいって言ってるけど人事の人に言わされてるんじゃないかみたいな(笑)」

石森さん
「それはないです(笑)」

会場
「伝統メディアとソーシャルメディアを組み合わられる人と津田さんがおっしゃっていたが、具体的な事例などは?」

津田さん
「2003年くらいから付き合いのある朝日新聞の丹治吉順さんという優秀な記者がいて、その人がmixiで書いている記事が好きだったんです。この人が個人で書いているコラムっぽい文章は絶対にネットで受けると思っていた」
「新聞記者・メディアの人って面白い人が多い」
「そういう人達のおもしろさがネットに出てくるといいなって思っていて、匿名でTwitterに誘ったりした」
「そしたら途中で朝Pって呼ばれるくらい初音ミクに狂ってしまった(笑)。CDを買いにコミケにいったりだとか。いオッサンなんですけど(笑)」
「今までの伝統メディアの記者ってブログ禁止だったりした。なぜなら記者の個人的な意見が会社の意見と違うときに困る→新聞社は社論がある」
「オールドメディアはそういう体制ができている」

「朝日新聞はこのソーシャル時代にそんなこと言ってられない、むしろそういったもので個人の記者の人気が出て"面白い記者がいるならこの新聞を購読しよう"っていう動きが起きるなら歓迎と、2012年の1月から記者公式Twitterを公認するようになった」

「組織の中でのイノベーターが目立って変わっていくっていうのはすごいあるなって感じる」
「メディアの記者って良い意味でひねくれ者が多い。そういう人がソーシャルを使うと面白い」
「ネットリテラシーが高くなくても別に問題ない。Twitterだって決して難しいものではない。」
「田原総一朗(@namatahara)さんだって78歳なのにTwitterやってますからね」

→"ITmedia的ウェブメディア"、企業としてプロとして情報を発信していく上でどんなことを今後考えていくべきなのか

津田さん
「ITmediaって給料いいんですか?」

司会・浦野さん
「そこそこ良い方だと思います」

石森さん
「そうだったんですか!?(笑)」

津田さん
「残業は?」

司会・浦野さん
「結構ありますよ」

石森さん
「営業はガッツリ」

津田さん
「ネットメディアをやってツラいなって思ったのは、"終わりが見えないところ"
「雑誌ライターだった頃は忙しい時期とそうじゃない時期がハッキリ分かれていた」
「書籍に関しても校了が終わったら2、3日暇が出来て次の仕込みや、終わった開放感で仲間と飲みに行けたりできるメリハリがある」
「ネットメディアは毎日毎日ひたすらずーっと続くので、開放感の山が無いっていうのが結構ツラいなって」

石森さん
「私自身も雑誌をやっていた時期があって、生活が月刊のライフスタイルになる」
「校了日の2週間前までは何もしない。そして最初の一週間で仕込み、最後の一週間で仕上げ。校了三日前から徹夜っていうのをずっと繰り返していた。」
「ネットになると、入稿して終わるというサイクルが無くなるが、徹夜は無くなった。でも徹夜が無いから良いっていうことではなくて、だらだら仕事をすることになる」

「うちの一般的な編集だと、朝起きてメールの返信や原稿の編集、記事のアップ(多くのメディアは朝8時をターゲットに第一報をポンと出す)などを行う」
「それが終わって11時くらいになると会社に来る人は来たり、あるいは午前中の取材に行ったりという感じ」
「家で作業することが多い」
「遅くまで会社に残る人もいるが、遅くまで残るくらいなら家に帰ってやる感じ」
「編集は残業がつかない裁量労働
「僕も鍛えられてしまったのか、仕事と会社の区別がつかなくなった」

津田さん
「石森さんの言ったとおり、家でできるというのは楽だということもある」
ノマドじゃないけど、仕事が煮詰まったときに2、3時間外にお茶しに行ってそこで仕事をすることもできる。それがメディアの良いところでもある。」
「仕事が詰まってない時期なら、"取材してきまーす"だとか"資料探してきまーす"とか行って映画一本観てくることも可能ではある。それはメディアだからこそ許されている面。出版社だとそんな感じ。ITmediaさんはこれはOK?」

石森さん
「行動にはつっこまない、そっとしておくという方針が徹底されているので大丈夫。」

津田さん
「連絡がちゃんと取れるようにしておくだとか迷惑がかからないようにしていればそのへんは個人の自由。」

裁量労働!

「ノルマがあって、やるべき仕事が出来ていれば働き方なんかは結構自由なのがメディア。フリーに近い感じでできる。」

石森さん
「ずっと会社にいる編集とか記者とか営業って変だなって思う」

津田さん
「指示待ちみたいな人は困る。自分で考えて動き始める人じゃないと永遠に仕事は終わらない感じ。」
適当に自分で進めて"これでいいっすか"みたいに上司に確認して修正をしつつ仕事ができる人は上司としてもありがたい

石森さん
「好奇心とか先取性っていうのは大事」


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ここまでが第3部:今、メディア企業に求められる人材。の内容となります。

今回のお話を聴いていると、メディア企業が求めている人材がかなり明確にイメージできるのではと思います。あらためてクリエイティブな世界だなと実感。

その4に続きます。

ITmediaの今後の話、"ITmedia×津田大介「メディア志望の就活生が、今知っておくべきこと」クロストークイベント"まとめレポート その4(終) | Digital Grapher
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