ITmediaの今後の話、"ITmedia×津田大介「メディア志望の就活生が、今知っておくべきこと」クロストークイベント"まとめレポート その4(終)



その1、その2、その3に続きまして今回はその4(終)でございます。まだその1、その2、その3を未読の方はそちらからご覧ください。

電子書籍に絡めた有料コンテンツの話題など、"ITmedia×津田大介「メディア志望の就活生が、今知っておくべきこと」クロストークイベント"まとめレポート その1 | Digital Grapher

メディア業界、ソーシャル、これからの広告の話、"ITmedia×津田大介「メディア志望の就活生が、今知っておくべきこと」クロストークイベント"まとめレポート その2 | Digital Grapher

メディア企業が欲しい人材はこれだ!"ITmedia×津田大介「メディア志望の就活生が、今知っておくべきこと」クロストークイベント"まとめレポート その3 | Digital Grapher




(注・各発言は意訳です。原文ままではありません)

第4部 : アイティメディアってどんな会社?

→"ITmedia"みたいな企業のウェブメディアって今後これまでの立ち位置維持できるのか/Web1.0時代にできたメディアなので変わっていくべきなのか

石森さん
「ネットメディアって今までのメディアから"ネットの記事なんてさ"というスタンスで見られる」
「以前もそうだったし今も基本的にはそういう雰囲気があったりする」
「例えばブログメディアやソーシャルメディアが出てきたときに、○○メディアって言ってるけど別にソースを担保しているわけじゃないしと揶揄することが僕自身ある」
「これって前に僕らが言われてたことと同じだなって思った」

「僕らは色んなことをやっていて、基本ボリュームが大きいのはPCのブラウザ上でコンテンツを配信するってことだけど、例えば5年後にまったく同じことをやっていなきゃいけないってことはない」
メディアでビジネスをしてる僕らがメディアの定義をしっかりして、その定義に沿ったものであれば別に手段をこだわる必要はない
「変なこだわりをして本質を見失うことはやっちゃいけないなって思う」
「今はこれだけ変化が激しい時代で、5年後を予測することは無理というか、意味の無いことだなって」
「世の中がどう進んでいくのか、メディアの本質を失わずになにをやっていくのかを考え続けるというのが陳腐だけど重要なことだと思う」
「そうじゃないと、前に僕らが昔のメディアにないがしろにされたことを、僕ら自身が更に誰かをないがしろにするなんてことになりかねない」

津田さん
「僕はTechcrunch(日本語版海外版)って好きなんですよね。シリコンバレーにあるスタートアップベンチャーやWebサービスを結構辛口で伝えるヤクザみたいなメディアがある」
「現地では"Techcrunchは相手にするな"なんて言われている」
「ITmediaはお上品なほうだと思うんですけど、経済誌とかって結構辛口じゃないですか」
Techcrunchとまではいかないものの、日本の経済誌並の辛口になって、ITのジャンルにおいてITmediaは少し尖った存在になったほうが読みたいなぁと思ったりします。」

「正直に読者の立場から言うと、昔のほうが記事を読んでいる頻度が高かったなぁと思う」
「現場の尖った記者、岡田有花さん中村琢磨さんみたいなスター記者みたいな人がこの中にいるかもしれない」
「メディア企業の浮き沈み、影響力やビュー数っていうのは社長の経営判断とかではなく、編集や記者とか一人一人によって全然変わってくる」
「ある意味こんな民主的な世界は他に無いって言い方もできると思う」
「中にはしがらみもあるし、自分の好きなことが100%できるわけではないけれど、根本的には実力主義で、面白いことをやろうとして努力している人が報われる世界というのがすごく気に入っている」
そういう所で勝負したい人はITmediaっていう会社は一つの良い選択肢だと思う

「ITmediaが持っていた音楽情報専門Webサイト”BARKS"は僕らナタリーのライバルだったわけですけど、BARKSはレコード会社から来るリリース記事が中心であんまり尖れていなかった」
「ナタリーはリリース記事に+αして、これはネットで流行ると思ったものをアングラ的なものも含めてライターが思い入れのある記事を書いていた」
「それがネットユーザーにウケて、勝つことが出来た」
ネットは雑誌とかに比べてページ数とかバランスを気にしなくていいから、尖りやすいところ
「そこにヒントが結構あるんじゃないかなって思う」

司会・浦野さん
「ITmediaも変態採用というか、どれだけ変態なのか見せてもらえると良いなぁって思います」

石森さん
「それだけ言うとすごく語弊がありますよね(笑)」

司会・浦野さん
「今日のイベントのテーマとしては、メディアっていうものをビジネスの視点から捉えてみるとどうだろうかと」
「メディアを見る目が、そこで自分がどうビジネスするのか、というのをこのイベントを聞く前からよりその視点に立っていただければ、このイベントに参加していただいたみなさんにはなんらかのものが提供ができたのかなと思います。」


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全4部に渡るイベントは以上です。

これらのお話を聞いて、元々こういうインターネットの話が好きだし話したいという思いもあったので非常に興味深かったし、刺激されました。
テレビ新聞雑誌など、従来からあるメディアに比べてネットメディアというのは、ネットの普及と共にここ10年でやっと市民権を得てきた印象があるので、まだまだ成長の余地はあると思うしその余地を我々若い世代が考えて盛り上げていかなくてはと思います。それによってメディアが衰退するかもしれないし、今よりぐんと伸びるかもしれない。とても責任重大だと思う半面、すごくわくわくしています。

新しいテクノロジーの助けもあってどんどん新しいアイディアが生まれて、それがメディアに生かされるとき、どんな(広い意味での)広告が見られるのか期待すると共に、そこに自分が携われたらなと強く思います。

今回このような貴重なイベントに参加させていただける機会を与えてくださったITmediaさん、津田大介さんに感謝いたします。


イベント中のツイートがまとめられたTogetterはこちら

ITmedia×津田大介 就活イベント「メディア志望の就活生が今、知っておくべきこと」まとめ - Togetter


イベントのUstreamアーカイブはこちら

Ustream.tv: ユーザー ITmedia_HR: ITmedia×津田大介「メディア就活で知るべきこと」, 2012年12月6日 アイティメディアの就活イベントに津田大介さんが登場。. その他...

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